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スペイン語/ Español

性, 数, 格

スペイン語の名詞には性 (男性/女性) と数 (単数/複数) の区別があります. 形容詞は修飾する名詞の性数に一致させます. 動詞には原形に加え主語の人称に合わせた 6 つの活用形がありますが, 動詞ごとに変化パターンが違っていて覚えるのに一苦労です.

名詞は女性, 男性に区分されます. -a, -ción, -sión, -dad で終わるものは女性名詞, -o で終わるものは男性名詞が多いです.

  • 女性名詞 : madre「母」 flor「花」
  • 男性名詞 : padre「父」 verano「夏」

また職業や身分を表す名詞の場合, 語尾を変化させて性を表します.

  • 女性 : amiga「女友達」 niña「女の子」
  • 男性 : amigo「男友達」 niño「男の子」

形容詞の一部は修飾する名詞の性に合わせて語尾を変化させます.

  • amiga alta 「背の高い女友達」 alt o/a「 (形容詞) 高い」
  • amigo alto 「背の高い男友達」

INFO

男女同系の名詞もあります. (例) estudiante「学生」

名詞には単数/複数の区別があります. 基本の複数形の作り方は語尾に-s (母音で終わる名詞) か-es (子音で終わる名詞) をつけま す.

perros「犬たち」 flores「(複数の) 花」

形容詞も修飾する名詞の数に合わせて語尾に-s または-es をつけます.

perros blancos「白い犬たち」 blanc o/a「(形容詞) 白い」

動詞は主語の人称 (一人称, 二人称, 三人称) と単複で活用 (3×2=6通り)します. 食べるという意味の動詞”comer”を例に活用を見てみましょう.

単数複数
一人称comocomemos
二人称comescoméis
三人称comecomen

数と性

男性 1 人, 女性 9 人の友達をまとめて呼びたいときは amigos にします. 集団に一人でも男性がいた場合は男性形になります. ちなみに padres (単数 padre「父」) は「両親」の意味になります. このような性の区別は便宜的なものですが, 近年では包括的・中性的な表現や性を明示しない表現が使われることもあります.

スペイン語では基本的に前置詞や語順が格の機能を果たします. 難しい格変化はありません. 人称代名詞 (英語で言う I, he, we など) には格変化がありますが, 大きく変化することはないです.

時制

時制は大きく分けて現在と過去と未来の 3 つです. 直接法は 10, 接続法は 6 の時制に分けられます.

直接法接続法
現在現在完了現在現在完了
点過去(直前過去完了)過去過去完了
線過去過去完了(未来)(未来完了)
未来未来完了
過去未来過去未来完了

※括弧の時制は実際にはほとんど用いられません.

このように基本の時制と完了形が完全に対応しています. 完了形は「haber (英語の there is に相当する動詞) + 過去分詞」 という形を常にとります.

アスペクト (点過去/線過去)

上記の時制区分での完了形を完了相, 基本の時制を未完了相とみなすことができます. ただし, 直接法点過去だけは完了相に含まれます. 点過去は完結した一回の行為を示しますが, 線過去は行為の始まりや終わりが明示されず継続した状態, 反復・習慣の行為を示します.

  • 点過去 : Desayunamos ayer a las 8. 昨日は朝8時に朝食を食べた.
  • 線過去 : Desayunaba siempre a las 8. いつも朝 8 時に朝食を食べた.

(c.f. desayunar「(動詞) 朝食を食べる」)

直説法, 接続法, 命令法があります. 接続法は話し手の願望, 要求, 疑惑などの主観的価値を表現するときに多く従属節中で使われます. 命令法はその名の通り命令や禁止を表すときに使われます.

能動態と受動態がありますが, そもそも英語と同様にスペイン語では受動文より能動文の ほうが好まれます. 受動文の作り方は「ser/estar (英語での be 動詞にあたる)+過去分 詞」で表します.

  • 英語 : Japanese is spoken in Japan.
  • 西語 : Japonés es hablado en Japón.
  • 日語 : 日本では日本語が話される.

(c.f. es は ser の 3 人称単数形, hablar「(動詞) 話す」)

現代スペイン語口語

現代スペイン語口語では「ser+過去分詞」はほとんど使われません. 「estar+過去分詞」は現在, 口語でも文語でも使われるようです.

語順

スペイン語では動詞は文の二番目の要素に来ます. 語形から主語が推測できるので主語が省略されたり文の最後に置かれたりすることも多いです.

  • スペイン語 : (Hoy) le doy un regalo.
  • 逐語英訳 : (Today) her give a present.

文字

英語と同様アルファベットを使います. “ñ”はスペイン語特有の文字です (日本語のにゃ, に ゅ, にょと同じ発音).

文字一覧
大文字小文字名称
Aaアー
Bbベー
Ccセー
Ddデー
Eeエー
Ffエフェ
Ggヘー
Hhアチェ
Iiイー
Jjホタ
Kk
Llエレ
Mmエメ
Nnエネ
Ññエニェ
Ooオー
PPペー
Qqクー
Rrエッレ
Ssエセ
Ttテー
Uuウー
Vvウベ
Wwウベドブレ
Xxエキス
Yyジェ
Zzセタ

感嘆符・疑問符を逆さまにして文の頭につける点も特徴的です.

  • 西語 : ¡Hola! ¿Qué tal?
  • 日語 : やあ!元気?

スペイン語の「h」

スペイン語では「h」は発音しません. そのため hola「やあ」は「オラ」, humanos「人間」は「ウマノス」のように 発音します.

参考文献

  • Eugenio del Prado 齋藤華子 仲道慎治,”Panorámica del español”, 同学社, 2019
  • 西川喬,『わかるスペイン語文法』, 同学社, 2011