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韓国朝鮮語 / 한국어

系統

韓国朝鮮語はアルタイ語族だという説が定説でしたが, 現代においては一つの語族 (孤立語)をなしていて, 韓国朝鮮語族という一つの語群があるという仮説も強く支持されていますが, 韓国朝鮮語の由来は未だはっきりしていません.

性, 数, 格

韓国朝鮮語には性や数の概念はありません. 韓国朝鮮語は膠着語であり, 日本語と同様に格を助詞により標識します.

時制, アスペクト

「私は韓国に来る飛行機の中で彼に会いました」のように, 「来る」という動詞は会うという行為が行われた時点での行為ですが, 現在形を使って表します. 韓国朝鮮語の時制は発話した時を基準にすることも, 文章の中の動詞を基準に相対的な時点を示すこともできます. 韓国朝鮮語の標準文法に関して研究する機関である韓国の国立国語院によると, 韓国朝鮮語の時制は未だはっきりしておらず, 時制がないという意見や文法的に過去か非過去しか存在しないという意見など, 様々な見解が盛んに議論されているそうです.

韓国朝鮮語には未来を表す終結語尾が存在しないため, 意志を表す連体形を使って未来を表すのも韓国朝鮮語の特徴の一つです.

  • 韓国朝鮮語 : 나는 밥을 먹을 것 이다.
  • 日語逐語訳 : 私は ご飯を 食べる (意志の語尾-을) こと (形式名詞) だ

音韻

韓国朝鮮語では似ている母音群同士に結合しようとする母音調和が強く現れます.

種類文字
陽性母音ᅡ, ᅢ, ᅣ, ᅤ, ᅩ, ᅪ, ᅫ, ᅬ, ᅭ
陰性母音ᅥ, ᅦ, ᅧ, ᅨ, ᅮ, ᅯ, ᅰ, ᅱ, ᅲ, ᅳ, ᅴ
中性母音

母音調和はハングルの形とも強く関連していますが, 明るい感じの陽性母音の母音は太陽が人の右にある模様, 太陽が東にある模様を表現したものです. 陰性母音は多少暗い感じで, 太陽が沈んだ模様と, 太陽が西にある模様等を表現したものです.

動詞基本形・発音分類過去形・発音
書く쓰다 [ssuda]陰性 (ᅳは陰性母音)썼다 [sseot-dda]
行く가다 [gada]陽性 (ᅡは陽性母音)갔다 [gat-dda]

活用をした後も母音群の特性を保ち (陰性母音ᅳ→陰性母音ᅥ, 陽性母音ᅡ→ᅡ), その特性が変わらないことが分かります.

オノマトペ

韓国朝鮮語では様々なオノマトペがあり, 形を表す擬態語, 音を表す擬声語に分かれて日常生活でも広く使われています. オノマトペを上手く使うと表現がとても豊かになるので, 韓国朝鮮語を学びたいと思う方はぜひ身に付けてください.

擬態語擬声語
깡총깡총
[kkang-chong-kkang-chong]
ウサギが軽く飛ぶ様
(陽性母音)
콜록콜록
[col-loc-col-loc]
コンコン
(陽性母音)
껑충껑충
[kkeong-chung-kkeong-chung]
ウサギが大きく飛ぶ様
(陰性母音)
쿨럭쿨럭
[cul-luck-cul-luck]
ゴボゴボ
(陰性母音)

同じオノマトペでも, 母音群を切り替えることで様々な表現ができます.

文字, 発音

韓国朝鮮語は, 朝鮮時代の世宗大王が作ったハングルという文字を採択して表記しています. ハングルは表音文字であり, 母音を構成するパーツと子音を構成するパーツを組み合わせて文字を作ります. ハングルの造字原理について述べている訓民正音によると, 母音は天と地と人の関係, 子音は口と舌の形を考えて考案したそうです.

母音の基本となる音は・ (天), ᅳ (地), ᅵ (人) の三つがあって, ・は口を広くしたり狭くしたりして出す音, ᅵはイの音, ᅳはウを発音しながら口角を上げる音です. 子音は舌の根本を口の天井に近づけて出す音の (ᄀ [g]), 舌の先を歯に摩擦させて出す音の(ᄂ [n]), 口を広く開けて出す音の (ᄆ [m]), 舌の先を歯に近づけて空気を吐きながら出す音の (ᄉ [s]) などがあります.

参考文献